望遠レンズと土地勘を活かしリーズナブルに花火を撮ってみた
花火大会が最も盛り上がる8月上旬、念願の望遠レンズを使った花火撮影を行いました。
リーズナブルさと引き換えにリスクがある望遠花火撮影、その魅力をお伝えします。
花火撮影にチャレンジされる方は以下の記事も参考に
キレイに撮ろう花火大会!いつものカメラ+αでバルブ撮影に挑戦
もう会場で迷わない?花火大会撮影テクニック!
僕の住んでいる所の(ホラ)話をしよう
今から30年ほど前、私の近所では大怪獣GとGフォースにより開発された兵器が花火もとい火花を散らして激突しました。
街は破壊の限りを尽くされ、その時の復興祈願として毎年花火が開催されるのです。(このくだりはフィクションです)
望遠レンズで近所の花火を狙う
閑話休題。さて、記事作成のために今年は既に2回ほど花火撮影に赴きました。
ただ、心残りが一つ。「望遠レンズで花火が撮りたい」
花火撮影の下調べをしているうちに、超望遠での撮影手法を解説されているnote記事を目にし、この技法は是非ともモノにしたく今回の執筆を決めました。
場所は自転車で行けるごく近所、レンズはリーズナブルなキヤノンRF100-400mm F5.6-8 IS USMをチョイスしました。
花火大会はF値が大きい暗いレンズでも十分で、キヤノンRFマウント以外だと、70-300mmクラスのレンズが相当します。
望遠レンズで花火を撮るメリット・デメリット
今回取材して、以下のメリット・デメリットを感じました。
メリット:気軽さとアイデア勝負できる楽しさ
1.有料の会場外から撮れる
一番のメリットです、例えばチケットが売り切れたり、または墨田川花火大会のようにそもそも観覧用会場が用意されていない場合でも花火撮影が楽しめます。
2.NDフィルター不要
遠くの光源は近くの光源に比べて光量が落ちます。専門用語で言うと「逆2乗の法則」や空気の湿度により光が弱まるためです。なので望遠レンズで撮る遠くの花火はNDフィルターなしでもバルブ撮影が可能です。
3.アイデア次第で夜景も写せる
望遠レンズでの花火撮影は、会場という場所の縛りがないため工夫と下調べ次第で風景と花火を両方撮ることができます。
デメリット:撮りにくくなるリスクが多く、出たとこ勝負になる
1.会場で撮るよりタイミングが取りづらい
近年の花火大会では音楽と合わせた演出がポピュラーで、それで打ち上がるタイミングを図りやすいのですが、会場外だとそうはいきません。
2.ブレが生じやすい
望遠レンズそのものの特性で、ブレが生じやすく、三脚でも大きさや設置方法次第では結構ブレが生じます。今回で言うと私はセンターコラムを目いっぱい伸ばしたため特にブレやすかったです。
3.フレーミングがシビア
花火はさしあたり会場で最もキレイに見えるよう打ち上げ方を工夫しています。つまり会場外ではその限りではなく、撮るにあたってはフレーミングがシビアになりがちです。
地元民最強説?下調べが成功のカギ
上記のデメリット要素を潰すためには、まず念入りな撮影場所の下調べが重要です。
花火打ち上げ場所からどれくらいの距離か?三脚を構えられるか?建物が風景として有意に働くか花火を隠すか?などなど…。
そうすると、遠方での望遠花火撮影はリスクが増すことになり、土地勘のある地元で行うのが得策となります。
今回私は自転車に乗ってのべ半日ほど下調べを行いました。そして選んだ撮影場所には多くの地元民が集結したことが奏功の証でした。
三脚はより丈夫なものを
望遠レンズ向けの三脚はより丈夫なものを選ぶのが定石ですが、花火撮影でも例外ではなくそれどころかバルブ撮影でのブレを防止するため頑丈さや安定性を重視したいです。
有料の観覧エリアで撮る場合よりも大きめのイメージとなります。
雲台は、迅速なフレーミングを行える自由雲台がラクです。
- 自由雲台はノブ1つで迅速な構図変更を行いやすい(今回持参した三脚一式は私物)
こぼれ話:花火大会で頭山?
今回、安全のためにヘッドライトを用意しました。
点灯すると、周囲の人たちが数人その明かりを頼りにお菓子を食べたりバッグの中身を探ったりしていました。
ふと思い出したのが落語の「頭山」、あるケチな男がサクランボの種をケチって食べたことにより頭から桜の木が生え、それに花見客が群がって、男は嫌がって…というお話なのですが、その時の私の心中は珍しく近所の人に頼られたような気がして、ちょっと嬉しかったです。