「GERA EXPO TOKYO 2023」映像業界最前線のニーズとテクニックを探る
1/20、21の2日間、東映東京撮影所で日本映画撮影監督協会主催による「GERA EXPO TOKYO 2023」が行われた。
Canon EOS R (24mm, f/4.5, 1/50 sec, ISO800)ワークショップやセミナー主体だが、機材メーカーより展示もあり、映像制作最前線の需要に応えるべく、各社少数精鋭で機材を用意していた。
マップレンタルスタッフの独断と偏見による気になる機材をピックアップした。
600WのLEDをVバッテリー運用 「MONSTER」
OPPO Reno3 A (4.71mm, f/1.7, 1/140 sec, ISO100)
アガイ商事はGENTREEというメーカーのVバッテリーの取り扱いを予定しており、目玉は390Whの「MONSTER」というモデルだ。
CUBE BANK MIIコンバータを介しMONSTERを2個用意すれば今まで難しかった600WクラスのLEDをコンパクトなVバッテリーで運用でき、大光量機材でもシチュエーションを選ばず使えそうだ。その名の通りモンスター級の可能性を感じる。
予価165,000円で価格が決まり次第発売する予定とのこと。
https://www.agai-jp.com/media/com_form2content/documents/c7/a325/f60/agai.pdf
高品位なフルカラーLED PROLYCHT
OPPO Reno3 A (4.71mm, f/1.7, 1/20 sec, ISO113)KPIは昨年10月より取り扱いを開始したPROLYCHT(プロリクト)製品を展示した。
大出力のフルカラーモデルを展開しており、パネル型のTHUNDERとスポットモデルのOrionがある。Orionシリーズは発光部の保護ガラスを工夫し滑らかな光源にしてあり、ボーエンスマウントに対応している。特にOrion 675FSはバラストと灯体を一体化させたことにより電力ロスを低減させている。
さらに全モデル見やすいフルカラー液晶モニターを装備。品質の高さが伺える。
https://www.kenko-pi.co.jp/brands/prolycht/
小型軽量・Vマウント駆動のスモークマシン
OPPO Reno3 A (4.71mm, f/1.7, 1/50 sec, ISO128)スタジオ消耗品販売を主体とするACTアクトは、Vバッテリー運用できるスモークマシン「ポルタミスト」を出展していた。
このモデルはベルギー製で、一般的なスモークマシンより高額だが、小型軽量で現場で手持ちでスモークを撒くなどの柔軟な運用が行いやすく、なおかつ小規模な撮影環境でも扱いやすそうだ。
同社は缶スプレータイプのスモークも取り扱う。
ハンドメイドのソフトボックスCaligri
OPPO Reno3 A (4.71mm, f/1.7, 1/50 sec, ISO122)江東電気は、Caligriのチューブライト用ボックスを展示。
同社が取り扱うASTERA製品への取り付けを念頭に置いているが、同様の他社製品にも使える。スチール撮影現場での人気が高いとのこと。
ただしドイツでハンドメイドされているということもあり、5万円ほどと値が張る。
https://www.koto-jp.com/lighting/stage-studio/authorized-manufacturers/
https://www.caligri.com/products
定番商品の有効性 スピードマスター L-858D
OPPO Reno3 A (4.71mm, f/1.7, 1/29 sec, ISO106)セコニックのフラッグシップ露出計スピードマスター L-858Dを用いた御木茂則氏によるセミナーが注目を浴びていた。マップレンタルでもコンスタントに注文が入る定番商品であるが、きちんと計測した明確かつ客観的な数値をスタッフ間で共有することは、良いライティングが行えるだけでなくコミュニケーションツールとしても有用とのこと。
照明技師の中須岳士氏らによるワークショップでもL-858Dは大いに活用されていた。DMX操作により様々なメーカーのLEDが使用されたが、このような複雑なライティングを行う状況では露出計や色温度計を用いるメリットは大きいと感じた。