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レビュー

フレネルとスポットの疑問解決! 基礎編

レビュー

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世の中には結構違いが説明しにくいもの、ありますよね。
チョウとガ、ブリとヒラマサ、ボクシング主要4団体・・・。

マップレンタルにお客様から寄せられる質問で、分かっていてもどうしても解りやすくお答えしにくい質問に「フレネルとスポットの違い」というものがあります。
今回それを徹底比較してみました。ご理解の一助になれば幸いです。

フレネルの代表例Aputure フレネル 2x

照明比較マニアの朝は早い、開店3時間前に誰もいない店舗で取材を始めた

フレネルとスポットの共通点・相違点

〇共通点:レンズを用いて光を収縮させ照射する=レンズスポット

実は、そもそも今回説明するフレネルもスポットもレンズで灯体の光を収縮させる「レンズスポット」に分類される機材です。

左がフレネル、右がスポットの照射面

多くのスポットライトを扱う舞台表明の分類では、主に撮影業界で言うところの「フレネル」はそのままフレネルレンズライト、「スポット」とはカッタースポットとされる物です。

●相違点:照射面の形とアタッチメントの有無

端的なフレネルとスポットの違いは照射面、特にフチに違いがあります。
フレネルのフチはにじみ、スポットのフチはピントが合えばにじみのないはっきりとしたものになります。
もう一つ照射面の光量にも違いがあり、通常リフレクター使用時と比較しフレネルは増大しますが、スポットは微増あるいは減少します。

光量を詳しく調べると、その差は歴然でした。詳細は次回(写真はイメージ)

さらにスポット=カッタースポットには、ライトカッター・ゴボ・アイリス(絞り)といったアタッチメントが取り付けられるのがフレネルにはない特徴です。
ストロボライティングで例えると、フレネルはグリッド、スポットはスヌートのような効果が得られます。

フレネルレンズの使用例

フレネルレンズとは波のような円形の凹凸がレンズに刻まれている物で、それにより1枚のレンズに複数の光学補正を加えられます。

波紋状の溝が刻まれたレンズで光量を強める

分かりやすい例で、灯台の照明はフレネルレンズで照射しています。少ないレンズ枚数で遠くまで照らすための工夫です。
撮影の実践としては、同じ灯体で付属リフレクター以上の光量や狭い照射角が必要となるでしょう。

スポット(カッタースポット)の使用例

テレビで書籍等を紹介するとき、文字の行に一直線状の光を当てる演出がされますが、主にエリスポットやカッタースポットユニットが取り付けられたデドライトなどで行っています。

ライトカッター使用例

物撮りを日々されている方なら1度は使ったことがあるはずです。
さらに、アタッチメントも豊富で特に模様を照射するゴボはスポットを象徴するアイテムです。すなわち演出の意味合いが強い機材です。

Aputure LS60用Spotlight Mini Zoom付属のゴボセット

参考:株式会社パシフィックアートセンター様
舞台照明の機材(2) フレネルレンズライト
https://www.pacnet.co.jp/column/2019/11/02202659.html
舞台照明の機材(4) カッタースポット【その1】
https://www.pacnet.co.jp/column/2019/11/05173148.html

実測編へつづく