【InterBEE 2024】さらに扱いやすくなる撮影機材
映像期勢の進化により、ワンオペないし少人数での収録が容易となる昨今。
より扱いやすく進化した撮影機材が多数登場した今年のInterBEE。
本記事では注目の撮影機材やブースをレポート
Canon EOS R (35mm, f/5.6, 1/100 sec, ISO3200)ビデオカメラの底力PXW-Z200/HXR-NX800
近年35mm判フルフレームカメラ機材は動画撮影機能の進歩がすさまじい一方、ビデオ専用カメラの開発が各社滞ってきている。
そんな中発表されたのがハンディカムコーダの2機種・PXW-Z200とHXR-NX800だ。
両機種とも共通のボディデザインであり、上位機であるZ200はSDI端子・TC端子とFWアップデート(2025年6月以降)にてXAVC(MXF)記録に対応し、NX800はそれらが省略される。
しかし、他の機能は同一で特にAIプロセッシングユニットによる極めて優れたAF性能や取り回しやすい重量より、ワンオペ撮影の効率化が図られ、また駆け出しのビデオグラファーやドキュメンタリストなどにも扱いやすい。
業界激震、RED買収により注目されるニコン
4Kシネマシステムの先駆者・米RED社を今年4月にニコンが買収したことが報じられた。
今年のInterBEEニコンブースは件の買収劇により動画機材としてのZマウントシステムへの期待を示すように絶えず人が集まっていた。
目を引いた展示はRED監修によるN-log用LUTで、映像用技術に空白があったニコンの弱点を補うであろう望みを感じさせた。
また、REDのカメラにニッコールレンズをマウントした展示品も見られた。
さらに目玉として開発中のパワーズームレンズZ 28-135mm f/4 PZも展示。ブリージングが少なく広角側で接写も可能。
新作レンズ大攻勢、キヤノンRFシステム
オリンピックイヤーである今年、特に注目されたメーカーの一つがキヤノンで、EOS R5 MkIIやEOS R1などを発表・発売し、新型70-200/2.8レンズの登場が予期されていた。
そして10月30日にRF70-200mm F2.8 L IS USM Zが正式発表され、今年のInterBEEで体験することができた。
インナーズームにより旧モデルより大柄だが軽量で、被写体が浮き上がるような優れた描写力を感じた。
なお、RF24-105/4 Zとサイズと共通させることで電動ジンバル撮影などでの利便性を図っている。
また、キヤノンは同日に発表されたRF50mm F1.4 L VCM、RF24mm F1.4 L VCMも出展。
発売済みのRF35/1.4と鏡胴デザインを統一して動画撮影の利便性を意図している。
描写力も開放から高画素機での実用に耐えそうなボケとキレを味わえた。
新しい6Kカメラ Blackmagic PYXIS
ブラックマジックデザインからは35mm判フルフレームの新しいボックススタイルカメラBlackmagic PYXIS 6Kが登場した。
スチールカメラライクのBMPCCなどと比べカメラ単体で拡張性が高く、手持ち・三脚・ジンバル・ドローンなど幅広いスタイルに対応できる。
またレンズマウントがPL・キヤノンEF・Lマウントの3モデルが用意されており、BMPCC・BMCCユーザーにはうれしい仕様だ。
8mmフィルム復権?コダックから「新型」アナログフィルムカメラ
高画質化が止まらない現代、そのアンチテーゼとしていわゆる銀塩フィルムが今日も市場流通していおり、実はコダックは8mm映画用フィルムの製造を続けている。
そんなコダックはスーパー8mmフィルムカメラを参考展示し話題となった。
現代によみがえった8mmフィルムカメラは、録音はSDカード、光学ファインダーではなく液晶モニターを用いているが、映像記録はあくまでアナログフィルムというデジタルとの技術融合を果たしている。そのため価格は90万円ほどになるという。