新春を90mmマクロで撮り比べ ソニーVSタムロン
2024年の煩悩を引きずって
昨年秋、とても魅力的なレンズが発売されました。タムキューの最新型である90mm F/2.8 Di III MACRO VXD(Model F072)です。
タムキューといえばカメラ好きにとってマクロの名玉として名高く、公式サイトで詳しく紹介されているほどの逸品です。
一方ソニーからは2015年に同スペックのFE 90mm F2.8 Macro G OSSが発売されています。
「あの2本をじっくり比較したい」…除夜の鐘が聞こえない家に住むばかりかそんな煩悩を引きずってお正月に帰省いたしました。
スイセンの花で接写能力をチェック
実家に帰って、被写体になりそうなものを探していたらいい感じに花が生けてありました。
そこで三脚にα7IIIを乗せてスイセンの花を等倍域で撮ってみました。
まず比較して驚いたのが、接写での描写力に大きな差が見られなかった点です。
どちらも良し悪しで言えば良い描写力なのですが、解像感・色ノリ・ボケ感にはっきりとした差を感じませんでした。
しいて言えば使用感で気になったのは、最短撮影距離が異なりタムロンの方が短いことです。
通常撮影域でボケ感チェック
ボケ味に定評のあるタムキューですが、ソニーの90mmマクロと比較するとどうなのでしょうか?
被写体の幹から1mほど離れて画面中央にピンを合わせて撮影したところ、これまた差が微妙でした。
開放時は意外とタムロンの方が線っぽい気もしますが、F4絞ると柔らかさが出てきます。
その他の描写力は同等で、例えばポートレートレンズとして使うにあたって大差ないと感じます。
最大の違いは機能性
描写能力ではほぼ互角でしたが、機能性は大きく異なっており、これはソニーの方が優れています。
ソニーはフォーカスリングを前後させることでAF/MF切り替えが可能で、MFを多用するマクロレンズにはありがたい機能です。他にもフォーカスリミッターや手振れ補正など機能が充実しています。
一方タムロンはフォーカスリング・フォーカスリミッター・フォーカスセットボタンのみが付いており、レンズ内手振れ補正が非搭載です。
本格的マクロ撮影ならソニー、「もう一本」にタムロン
「ソニーとタムロンのマクロってどう違うんですか?」物撮りのお客様から実際にあった質問に私は「物撮りならソニーの方がいいですよ」と答えました。
ではタムロンの立ち位置はどうなるのかと問われれば、シンプルなデザインなので普段使いのレンズにもう一本追加するならタムロンをおすすめします、例えばちょっと接写をするとか手軽なポートレートレンズとして表現の幅を増やすための一本として強く推したいです。