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照明機材の主軸・チップオンボード(COB)LED照明の進化をたどる

アプチャーから発表されたスゴイもの

撮影用フルカラーLED照明が普及し始めた昨今ですが、アプチャーからBLAIR-CG(ブレア シージー) LEDチップ/エンジンを搭載したSTORM 1000c/80cというLEDライトが登場しました。

ただものではないフルカラーLED、STORM 1000c

BLAIR-CGとはブルー、ライム、アンバー、インディゴ、レッド、シアン、グリーンの頭文字で、通常フルカラーLEDは光の三原色であるRGB=レッド・グリーン・ブルーで構成されているところさらに4色追加して色再現性を高めています。また、同等出力のフルカラーLEDよりも光量が上がっているとのことです。

BLAIR-CGは人間の可視光線をかなり広くカバーする

なお、アプチャーはBLAIR-CGの特許を持つ企業を買収しており、活況のLED市場でアドバンテージを得たと言えそうです。

決め手は紫外線≒インディゴ色

2024年12月20日、アプチャー代理店・アガイ商事にてSTORM 1000c/80cのデモンストレーションが行われ、「既存のLEDでは太陽光やストロボ・HMIといった他の照明機材使うと色ズレしやすい」と説明されました。

プロフォトストロボのモデリングランプ、左はハロゲン(タングステン)のD1Panasonic DC-GH5 (39mm, f/5.6, 1/2500 sec, ISO1600)
、右はLEDのB10(最低色温度)。色温度が違うのがさることながら、厳密には根本的な色味も違う。

なぜならLED以外の照明や太陽光の光には紫外線が含まれており、それが例えば白をより白く見せる効果があるといいます。
既存LEDに対しBLAIR-CGは昼白色ならばインディゴ≒紫外線に近い青が効いて他の照明機材との色ズレが低減されるとのことです。

ちなみに歯のホワイトニング剤にもインディゴが少し加えられているそうです(画像出展:phptoAC)

照明機材のパラダイムシフト

5年以上前、マップレンタルではストロボが写真撮影用照明のメインでした。
当時のLEDは光量が少なく、メイン照明としては心許なかったです。

ストロボの革命児で今でも現役Profoto B10 250は、モデリングランプが定常光として動画撮影に用いられた例も

そのため本格的な写真撮影や動画製作では扱いが難しいHMIの需要が高かったです。

懐かしのプロフォト・デイライト800Wはマップレンタル定常光の定番でした(取り扱い終了品)

しかし、チップ・オン・ボード(COB)LEDの進歩により、より強力なLED機材が登場し、今日マップレンタルで毎日のようにご用命があるほか、写真ライティングの教科書的な書籍で紹介されています。

Light Storm 300d IIがあの教科書に載った時「時代は変わったな」と、ついつぶやきました

LED人気タイプの移り変わり

LED照明の革命児と言えるアプチャーLight Storm(以下LS) 300d IIはHMI 575W相当の光量を350Wで作り出せるため、たちまち撮影用照明のメインストリームに躍り出ました。一方同時期に発売されたLS300Xは、バイカラーで色温度調整ができるという利点と引き換えに、光量が300d IIよりやや劣るため当店でも最初期は人気もやや劣ったものの、今では300Xの方が人気です。

大光量定常光のスタンダードとなったLS300X

また近年ではより安価でコンパクトなamaran 200x S(バイカラー)を導入し毎日のようにレンタルされていますが、同シリーズのデイライトタイプのレンタル要望がほとんど無いようで、色温度調整の利便性を示しています。

コンパクトにして十分な光量、そしてバイカラー、大人気要素しかないamaran 200x S

さらに昨今、フルカラーLEDの需要も着実に高まっています。特に白さにこだわる化粧品関連の現場では、色温度だけでなくグリーン/マゼンダ調節まで可能なフルカラーLEDによるCCTモードが好評だと耳にしました。

乳白色パネル一体型のNOVA P300cは大規模スタジオの照明だけでなく、人肌がキレイに表現できる

ナンライトForza 60C RGBLAC RGBは演出にもってこいのフルカラー小型照明

LEDさらなる活況へ?

LED照明のフロントランナー・アプチャーがBLAIR-CGを手にした事により、競合他社にも新たな開発目的が生まれたと言えるでしょう。すなわちさらなる色再現性の追求です。

今後もInterBEEやCp+といった撮影機材の展示会から目が離せません。

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