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ワイヤレスマイクってどんなモノ?本格派UWPと手軽なWireless GOII

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動画には音が必要です。その録音機器としてワイヤレスマイクがあると自由度が増します。今回はソニーとロードの代表的なワイヤレス機材を比較します。

 

「ちょっと対談を撮りたいんです」

出展:写真AC

最近、このようなご相談が立て続けにありました。

結論から書いてしまえば出演者にワイヤレスマイクを着けてもらうことが最善となりますが、当店でワイヤレスマイクといえば、プロユース対応のUWPシリーズ一択でした。

しかし、手軽に2人の録音となると、UWPでは難しくなります。そこで、当店マップレンタルはロード・Wireless GO Ⅱの導入を決定しました。

 

プロ御用達のワイヤレスマイク、UWPシリーズ

当店ではソニーUWPシリーズD11D21を取り扱っています(以下、後発機であるD21を前提に説明いたします)。テレビのニュースなどでレポーターやキャスターの胸に小さなマイクがついているのはよく目にしますが、アレと同じものです。

映像業界御用達なだけあって、B型帯を用いた細かい周波数調整や電波の安定性等の長所があり信頼性はとても高いです。

ただし、受信機1台に対し送信機1台で、対談を録るなら2セット必要となります。

 

扱いが圧倒的に楽なWireless GO Ⅱ

ロードのWireless GO Ⅱは手軽な動画撮影用途にあわせた製品で、なんと受信機1台に送信機2台がセットになっています。なので1セットあれば対談撮影が極めて容易になります。

そして何よりYouTuberやV-ロガー御用達機材であり、これは手軽さが彼らの強い味方となっている証拠です。一例で某「一生声変わり中の自動車系YouTuber」氏がUWPから移行していたことを筆者は確認しました。

この機材は2.4Ghz帯で通信を行います。

 

UWPとWireless GO Ⅱの違い【1】:周波数帯

B型帯」と「2.4Ghz帯」というキーワードを何の説明もなく使ってしまったので、その説明をします。

まず、「B型帯」は音質が良く、障害物等があっても電波が途切れにくいという特徴がある一方、同時に使えるのが6~8波という短所があります。

2.4Ghz帯」は、Wi-FiやBluetoothといったデジタル機材の通信でおなじみの帯域であり、同時に10波以上使うことも可能ですが、障害物にやや弱く、他のデジタル機器の通信に干渉する可能性があります。また音質は良くも悪くもデジタル的な音質となります。

詳しい情報は島村楽器さまのサイトをご参照ください

 

UWPとWireless GO Ⅱの違い【2】:ペアリング

UWP-D21を例にとると、前述の通りB型帯を使用しており、ペアリング方法をかいつまんで説明すると初期状態なら電源を入れるだけで使用はできますが、複数台使う場合は個別で周波数を送信機で指定してNFC機能で受信機と合わせます。細かく設定が可能なかわりに、直感的に操作はしにくく慣れが必要です。

周波数を細かく設定できるかわりに操作に慣れが必要

一方Wireless GO Ⅱは、基本的に電源を入れると自動的にペアリングしてくれます。再接続する場合はペアリングボタン(∞)を押せばOKです。

電源を入れるとすぐにペアリング。再ペアリングもボタン一つ

UWPとWireless GO Ⅱの違い【3】:音質

音質の感じ方は個人差があり、使うマイクによっても違いがあるので参考まで。以下も筆者個人が見聞きした範囲のものとなります。

B帯は古くから使われていた周波数帯であるせいか、UWP-D21は音響にそこまで詳しくない私が聞いてて違和感のない音質で、アナログ感のある自然なものです。

Wireless GO Ⅱは2.4Ghzのデジタル感とクリア感のある音質で、聞き取りやすい反面そっけなさも感じます。なお、送信機単体をマイクとして使えますが、素材の影響かハウリングがちになるので、外付けのラべリアマイクを使った方がよさそうです。

ただ、別の意見として放送業界での経験豊富なスタッフによると、

「Wireless GO Ⅱの音質はクリアな音質で悪くない、むしろUWP-D21の方がノイズがちかも。ただWireless GO Ⅱは送信機単体より外付けマイクを使った方がいい」とのことです。

 

UWPとWireless GO Ⅱの違い【4】:電源・バッテリー

この点が本格的なプロ向けUWPと簡易的なWireless GO Ⅱとの最大の違いとも言える電源・バッテリーについてです。

UWPシリーズは単3乾電池を電源として送信機約10時間、受信機約6時間駆動します。対してWireless GO Ⅱは本体内充電池で最大7時間駆動します。

乾電池で駆動するため信頼感が高いD21

単3電池というと近年使われる電子機器が減ってきましたが、入手が容易で切れても交換すれば良いという利点がプロの現場では安心感に繋がります。

Wireless GO Ⅱのバッテリーは外部から交換できないため、もし長時間使う場合は予備機を用意するほかありません。またバッテリー劣化で駆動時間が短くなる可能性もあります。

 

UWPとWireless GO Ⅱの違い【5】:付属するケーブル

もう一つプロ向けUWPと簡易的なWireless GO Ⅱの大きな違いとしては付属するケーブルです。

UWP-D21に付属するケーブルはステレオミニ-XLRオス・ステレオミニ-XLRメス・ステレオミニ-ステレオミニの3種となります。つまり1セットで様々な録音環境に対応します。

多様な音響機器に対応可能なケーブルが付属

一方Wireless GO Ⅱには音響系のケーブルとしてステレオミニ-ステレオミニが1本付属するのみで、動画機材としては民生向けのカメラ機材に取り付けることを念頭に置いていると言えるます。その代わり送・受信機に対し1本づつ計3本のUSBケーブルが付属しており、受信機をPC等にUSB接続すればオーディオインターフェイスとして使えます。

音響ケーブルはステレオミニのみ、USBは送受信機に対し1本ずつ計3本付属

まとめ:カンタンに録るならWireless GO Ⅱ、きちんと録るならUWP

さて、UWP-D21とWireless GO Ⅱの比較を行ってきましたが。まとめると

UWP-D21
・長所:長時間撮影やきちんとした音響設備のある現場など様々な状況に対応できる
・短所:操作にやや慣れが必要。1波1セット

Wireless GO Ⅱ
・操作が容易。配信や一眼レフ・ミラーレスを用いた環境に最適。1セットにマイクユニット2個付き
・基本的に対応している接続がUSBとステレオミニのみ。電池交換不能

という特徴があり、簡単に録るならWireless GO Ⅱほど心強いものはないとすら言える一方、きちんとした機材としてUWP-D21の優位性も見逃せません。

ちなみにWireless GOシリーズのクリップは、衣服はもちろんカメラのシューやスマホに着けることも可能

 

今回紹介した商品