【初心者でも分かるカメラの基礎知識17】謎のシマ模様!室内撮影の大敵「フリッカー現象」の対処法
突然ですが、写真を撮っていてこんな現象に出会ったことはありませんか?
写真全体に濃い縞模様が入ってしまっています。
これは一般的に「フリッカー現象」と呼ばれるもので、ある特定の条件下で発生してしまいます。カメラの故障ではありません。
対処法を知っていれば防ぐことができますので、解説していきます。
フリッカー現象とは?
普段私達が何気なく見ている照明は、常時光っているように見えますが、実は目に見えない速さで明滅を繰り返しています。
フリッカー現象は、照明の周波数の影響で起こる現象です。
フリッカーが起こりやすい照明は
・蛍光灯
・LED
・プロジェクター
などがあります。
バスの行き先表示に黒い縞模様が入っています。これもフリッカーの一種です。
対処法①メカシャッターで撮影する
シャッターには「メカシャッター」と「電子シャッター」の2種類の機構があります。
「メカシャッター」とは、カメラ内で物理的に作動するシャッターです。
シャッターボタンを押した時に「カシャッ!」と音が鳴り、手に振動を感じた経験があるかと思いますが、あの瞬間にカメラ内ではシャッター幕が開閉し写真が撮影されています。
一方「電子シャッター」はその名の通りデジタルで処理されるシャッターで、カメラ内のシャッター幕は作動しません。
いわゆるシャッター音が鳴らない「サイレントモード」と呼ばれるものは電子シャッターです。
シャッターのシステム上、電子シャッターでフリッカー現象が起こりやすく、メカシャッターで撮影すれば解消、または軽減される事が多いです。
蛍光灯下で、電子シャッターとメカシャッター、同じシャッタースピードで撮影しました。
では、シャッター音を鳴らしたくない場合や、メカシャッターでもフリッカーが解消されない場合はどうすればいいのでしょうか。
対処法②シャッタースピードを調整する
こちらは蛍光灯がフリッカーの原因になっている場合に有効な手段です。
先ほど、照明は目に見えない速さで明滅していると説明しましたが、その回数は1秒間あたり関東では100回、関西では120回といわれています。
なので、シャッタースピードを関東では1/100、関西では1/120の倍数にするとフリッカーが低減します。
基本的にシャッタースピードを上げれば上げるほどフリッカーが濃く入ります。
電子シャッターのまま撮影したい場合や、メカシャッターでもフリッカーが解消されない場合はシャッタースピードを変えてみましょう。
他にも対処法があるのでご紹介します。
対処法③フリッカーレス機能のあるカメラを使う
一部のミラーレス機にはフリッカー低減機能がついています。
Nikonでは以下の機種が対応しています。
https://search.nikon-image.com/faq/products/article?articleNo=000060992
このフリッカー低減機能は、蛍光灯などの100Hz/120Hzで明滅する光源にしか効果がありません。
なのでLEDなど高周波のフリッカーには「高周波フリッカー低減機能」を使いましょう。
シャッタースピードを細かく調整し、フリッカーの周期とぴったりと合わせることで、フリッカーの影響を低減させる機能です。
電光掲示板などを撮影する時にも有効です。
NikonではZ9/Z8/Z6III/Zfが対応しています。
SONY、Canonなどでも同様の機能があるので、お使いのメーカーで調べてみましょう。
※フリッカー低減機能を使うと、レリーズ速度や、連射速度に影響が出る場合があります。
ちなみに…
ちなみにマップレンタルでは、フリッカーレス性能に優れたLEDの取り扱いがございます。
スチル・動画撮影にLEDを使いたい方はぜひご検討下さい。
JINBEI EFD-60BI
まとめ
今回はフリッカー現象の対処法についてご紹介しました。
フリッカーを低減させるためには
・メカシャッターを使う
・シャッタースピードを調整する
・カメラのフリッカー低減機能を使う
以上が有効な対処法です。
スポーツや舞台撮影など、場合によって適した対処法が異なりますので、ぜひ参考にしてみて下さい。