RF14-35 F4L IS USM&RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM
RFマウントで2つの新しい超広角ズームレンズがある。
RF14-35 F4L IS USMと、
RF15-30mm F4.5-6.3 IS STMだ。
きわめてよく似た焦点距離で、悩ましいところだ。
ふたつを手に街へ繰り出してみた。
念の為、以降に示す写真はすべて原則として無補正である。
唯一加工したのは垂直に加工した一枚のみでこれはLightroomをもちいた。
早速だがこれらを私なりに建築写真的見地から評するならば、
14-35のほうがよいと思った。
それはなぜか。
Canon EOS RP (15mm, f/11, 1/400 sec, ISO400)定点でそれぞれ構えてみた。
たかが1mm、されど1mm。
この1mmの余裕は極めて重要である。
カメラを構えたときに「これ以上後ろに下がる余裕がなかったら?」の課題に答えてくれるレンズなのだ。
Canon EOS RP (15mm, f/11, 1/400 sec, ISO400)見上げで撮って垂直を起こすときにもある程度の余裕がほしい。
私は普段シグマの12-24mmを用いている。
これは歪曲収差がひどい。
それでもLightroomで現像するときにかなり改善するし、
Photoshopで大抵の問題は解決する。
閑話休題。
Canon EOS RP (14mm, f/11, 1/200 sec, ISO400)14-35、15-30ともに得られる画像を見る限り、歪曲収差はかなり良い。
補整もかなり効いているようではあるが、スナップであればそのまま使えるだろう。
手ブレ補正も申し分ない。
恐らくコーティングも優れているうえ14-35ならフードがあるので
超広角悩みのタネ、ハレーションの影響も軽減できる。
内観を撮影するときにも、解像力は実用十分だ。
Canon EOS RP (14mm, f/4, 1/60 sec, ISO2000)この手のレンズは内観撮影の可能性を大きく広げる。
そう思うとプロなら14-35は必携すべき一本のひとつかもしれない。
Canon EOS RP (15mm, f/11, 1/160 sec, ISO400)しかしそれでは15-30はどうだ。
いったいどのような利点があるのだろうか。
第一に、軽い。
第二に、安い。
第三に、(14-35の存在さえ気にしなければ)かなり優秀な超広角である。
例えばEFの16-35で顕著な歪曲収差を思えばかなり優秀だ。
プロが使う上では優秀なサブレンズとして使えるのではないか。
ロケハンに用いるレンズとして、
あるいは念の為の保険として。
手持ちでのスナップであればメインレンズとしても真価を発揮するだろう。
フィッシュアイではなくちゃんと歪みなく写る超広角は、
イベントスナップでもかなり役に立つ。
それも12-24より使い勝手が良いから失敗も少ないはずだ。
前玉が凸レンズではないのでフィルターも装着できる。
趣味や旅行に用いるにも15-30は最適である。
なにしろ(超広角としては)驚くほど小さく軽い。
標準レンズと併せて持ち歩いても全く苦にならず、
さまざまなシーンで超広角を楽しむことができる。
描写については既に申したとおり文句なしだ。
2本を使ってみて感じたのは、「どうせ使うなら広ければ広いほど良い」ということ。
しかし条件が許すならどちらも素晴らしい超広角レンズであった。