SONY PXW-Z190
かつて米ロッキード社の名設計士、”ケリー”ジョンソンは云った。
「Keep it simple stupid」と。
わたしは一見複雑怪奇に見えるこのZ190こそシンプルなチョイスだと思う。
まず、28.8 – 720mmというレンズ。
単に望遠レンズとして見ても優秀ではないか。
絞りだってF2.8 – 4.5だ。
いつぞやにEF600mmで悲鳴を上げたことが嘘のようである。
手ブレ補正もしっかり機能するし、AFだってよく働く。
夜の飛行機を追いかけるときは少しAFが迷ったが慣れればすぐにアシストできるはず。
強いて言えば広角側での歪曲収差が気になる。
はっきり樽状に出るので、やはり動画で広角はむずかしいのだ。
今回はECM-XM1も付けてみたが、こうしたガンマイクは必ず用いるべきであろう。
Apple iPhone 12 Pro Max (5.1mm, f/1.6, 1/25 sec, ISO800)
本体側面を見ればよくわかるが、必要と思われるものがメカニカルスイッチで存在している。
さらに前方にはピントリング、ズームリング、絞りリングがそれぞれある。
これは一見ごちゃごちゃして困惑させるようだが、すぐに慣れる。
なぜなら、いちいち設定画面を出してダイヤルを回したりする必要がないのだ。
予め設定画面でナンバリングされたボタンに機能を割り振ったり、設定値を変えたりしておけば実に使いやすい。
FX-30やらBMPCCやら色々触ってきたが、音と動画を最もシンプルなかたちで収録するカメラであった。
筐体も大きいが比較的単純な直方体の様相を呈するからカメラバッグへの収まりはいいし
重さはまったく感じない。
素晴らしいバッテリーと同時に排熱対策もしっかりしていて長時間録画に耐えうるし、
当たり前にすべてが完璧に連携して動く。
これ一台で十分ではないか。