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フレネルとスポットの疑問解決! 実測編

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退屈な画が続きます

前回記事を公開して改めて気付いたのが、同じような構図の画が繰り返されるため、見てくれが極めて退屈な記事となります。
なにとぞお付き合いください・・・。

前回のおさらい:フレネルのエッジはぼやけて、カッタータイプのスポットのエッジはくっきりする。

今回使った照明、実は元からスポット!?

今回3種の灯体を用いましたが、実は全て「スポットタイプ」と呼ばれる物です。

つまり、こういうタイプがスポットタイプです。

以前は平面に小さなLED球を並べたパネルタイプが主流だったのですが、ここ数年発光量が多い一方高価だったチップオンボード(COB)タイプが普及し始め、光量と引き換えに発熱や立ち上がりの遅さがネックだったHMIや、スチールでは照明の基準となるストロボと近い感覚で扱えるスポットタイプのLED定常光が重宝されています。

以前の主流だったパネルタイプ LPL VLP-13000X

豊富なアクセサリーもスポットタイプの魅力です。

今回は触れませんが、光を拡散させるランタンのようなアクセサリーもスポットタイプは使えます。

使用する灯体

メーカーはすべてアプチャー。

Light Storm 300dII:高出力LED照明の定番品です。大光量のデイライトモデル。1日レンタル5000円

amaran200x S:手ごろな価格とコンパクトさが魅力のバイカラー(2700~6500K)モデル。1日レンタル2500円

Light Storm 60X:60wという低出力ながら、レンズスポット機能が組み込み済み、物撮り向きのバイカラーモデル。1日レンタル3000円

(以下、Light StormはLSと省略)

リフレクターの光質

本題ともいうべきレンズスポットの前に、LS300dIIとamaran200x Sに付属するリフレクターの光質について調べます。
当店の天井光は8尺=約2.4mで、リフレクター光はどちらのモデルも床から天井まで照らしているので2.4m以上拡散されています。
光量を見て行きます。セコニックの露出計スピードマスター L-858Dを使い、ルクス値とEV1ステップ測定Tv125、Iso200でF値を調べました。

 

Panasonic DC-GH5 (26mm, f/5.6, 1/1600 sec, ISO1600)
光量も露出も測れ、スチールにもムービーにも対応する機能満載のフラッグシップ露出計スピードマスター L-858D

LS300dIIはフラットな光源が推定直径4mほど広がる

LS300dIIは照射面の中心3200lx/F4.02中心から1mで2200lx/F2.88でした。

amaran200x Sは中央光量が強いことが画像から見て取れる

200x Sは中心4000lx/F4.06、中心から1mで1800lx/F2.85となりました。
意外なことに300w機よりも200x Sの中央光量は大きいものの、中心から外れた部分の光量は300dIIに分がありました。
付属リフレクターから意外な灯体の特性が見られました。

レンズスポットがビルトイン!LS60Xの特性

今回紹介する3種の灯体の中でも最低出力60WのLS60Xは、レンズスポット組み込み済みという変わり種。

LS60Xは単体で45°まで拡散できる

15°まで狭めると照射面の光量も上がる

光を散らした状態で中央640lx/F2.00、中央から1mで600lx/F1.49、収束させたスポット状態で中央3400lx/F4.04、中央から1mで100lx/F0.73となりました。
人物撮影等大きなセットでのメイン光源としては心もとないですが、商品撮影のように小さなセットではめっぽう扱いやすい照明と言えるでしょう。

フレネル・スポット問わず「狭いと強い」

既にLS60Xについての解説で触れましたが、レンズ系スポットで照射角を狭くすると光量は上がります。


LS300dIIにフレネルx2を装着し、広角40°で照射すると中央光量4800lx/F4.09狭角12°10000lx/F8.00となりました。同機のリフレクターより明らかに光量が上がります。


スポットライトマウントでは36°:4200lx/F4.07、26°:5000lx/F5.6、19°:6300lx/F5.63と、約狭角になるにつれ1000lx程度強くなります。
光量だけみれば、フレネルは照射角とともに変えられる一方、スポットライトマウントはレンズ交換で変えてもフレネルほどは変わらない特性があります。

スポットの照射面積だけ手っ取り早く変えるにはアイリス

スポットライトマウントの利点はアクセサリーが豊富なことで、その一つにアイリス(絞り)があります。このアイテムで照射面積は瞬時に変えることができます。


36°レンズとアイリスの組み合わせでは、アイリス開放4000lx/F4.06、最大絞り3600lx/F4.05と、光量はさほど変わらないので、マニュアル露出で重宝しそうな特性と言えます。

機材の組み合わせが光量に影響する?

今回の実験で意外だったことの一つに、同じフレネルx2でもamaran200X sはLS300dIIと異なり広角40°時に3600lx/F4.05とリフレクター装着時より光量が微減しました。一方狭角12°では6800lx/F5.64と上昇しました。

Panasonic DC-GH5 (14mm, f/4, 1/1000 sec, ISO1600)

また、スポットライトマウントSE36°との組み合わせでは中央光量1200lx/F2.09と明らかに減少しました。これはレンズ口径の大きさなどが影響していると考えられます。

気持ち照射点の周囲が明るいスポットライトマウントSE36°

LS60用Spotlight Mini Zoomはオールインワン

LS60Xはフレネルと同等のレンズスポットがビルトインされているためアクセサリーのフレネルは存在せず、LS60用Spotlight Mini Zoomというその名の通りのズーム式のスポットライトが用意されています。


光量は30°で240lx/F1.06、15°で1200lx/F2.09と光量は落ちますが、ズーム式なので照射角変更にレンズ交換の必要がなく、ゴボとアイリスが付属しているため、スポット演出がなんでもできる便利なアイテムです。物撮りには特に効果を発揮します。

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