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ニュースタンダード・ニコンZ6IIIで撮る電車の世界

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4年ぶりに登場したニコンのミドルクラスフルサイズミラーレス機、それがZ6IIIです。

4年もの時を経て、どのように進化したか、気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は鉄道写真撮影で、Z6IIIの実力を試しました。

Z6IIIとは?

2024年7月に発表された、現時点でニコン最新のミラーレスです。

大きな特徴としては、Z8・Z9譲りのプロセッサとAF性能、世界初の部分積層型センサーなどが挙げられます。

加えて、電子シャッター時に秒間120コマの連写速度を達成するなど、上級機に並んだ性能も持ち合わせています。

日中の鉄道撮影

では、鉄道写真撮影で試してみましょう。

豪徳寺駅を通過する小田急60000形「MSE」です。

豪徳寺駅を通過する5000形の急行小田原行きです。

日中の鉄道撮影において、このカメラは大きなポテンシャルを発揮します。

一つ目の特徴としては、Z6IIに比べて大きく進化したAF性能です。Z9・Z8譲りの被写体検出機能がZ6IIIにも受け継がれ、フレーム内に入った被写体を的確に認識してくれます。

この時も、列車が駅に進入してファインダー内に列車が入ってからシャッターボタンを半押しすると、列車の先頭部にフレームが合い、手前に来るにつれてAFがしっかりと合焦してくるのがわかりました。

列車のような規則正しく動く被写体であれば、何の苦もなく9割9分ピントが合った写真を撮影することができました。

後追いのシチュエーションでも、しっかりと被写体を追尾してくれます。

後追いのシチュエーションであっても、AFは難なく追尾してくれるので、鉄道写真にはうってつけのカメラであると感じました。

2つ目は、最大毎秒120コマの連写性能です。

鉄道写真は、一コマの差が構図の大きな違いを生むので、連写速度は速い方がいいのがセオリーです。

今回は電子シャッターを常用し、秒間20コマで撮影しましたが、電子シャッター特有の被写体の大きな歪みもなく、非常に使いやすく感じました。

地下駅で撮る「闇鉄のススメ」

Z6IIIは約2400万画素と低画素のため、高感度性能も試さずにはいられません。

地下駅での撮影を試みました。まずはISO40000から。

NIKON Z6_3 (400mm, f/5.6, 1/160 sec, ISO40000)

ISO40000というと、一昔前までのカメラであれば拡張感度の類に入る感度でしたが、Z6IIIでは常用できるのが大きな違いだといえます。

常用感度は伊達ではなく、電車の車内や車体の金属感、トンネル壁面の質感を描きつつ、ノイズもさほど多くないのが特徴です。

ギリギリ作品作りに常用できそうな感度だと考えました。

続いては常用最大感度のISO64000です。

NIKON Z6_3 (300mm, f/5.3, 1/200 sec, ISO64000)

ISO40000に比べてノイズ量は確実に増えていますが、ディテールが残っているのが優秀です。特に、車両番号やレールの金属の質感や、トンネル壁面のコンクリートの質感などが保たれているのが流石だなと感じました。

先ほどの作例に比べて明確にノイズが増えているので作品作りには難しいですが、記録用には十分使えるのではないでしょうか。

加えて、Z6IIIは新開発のEVFを搭載しているため、明暗差が激しいシチュエーションでも被写体が見やすくなるという特徴があり、今回のようなトンネル内を撮るといったシチュエーションではうってつけのように感じます。

まとめ

Z9・Z8譲りのプロセッサとAF性能はやはり伊達ではないなと感じました。4年もの間を経て、Z6IIから確実に進化していることが見て取れます。

しかしながら、安くなったからといって上級機に比べて性能が妥協されているわけではなく、小型軽量のボディに上級機譲りの高性能が凝縮されているというのは、Z6IIIならではの強みであると感じました。

筆者自身、似たような性能を持つZfを常用しているのですが、Z6IIIの性能の高さには目を見張るものがあるように思います。

動き物をよく撮られる方におすすめしたい一台です。

今回使用した機材

Pickup