F1.8通しズームの驚異 〜SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN | Art〜
シグマから6月に発売された「28-45mm F1.8 DG DN | Art」には誰もが驚いたのではないでしょうか。
なんといっても、「世界初」フルサイズミラーレス用レンズとしてF1.8通しを達成してしまったのが驚くべきポイントです。
つまるところ、28mm・35mm・40mm・45mmの4本のF1.8単焦点を1本に凝縮してしまったというのが大きな売りです。
では、実写を見ながらその実力を試してみましょう。ボディはSONY α7RVを使用しました。
ボケ感
ボケの量に関しては、F1.8という開放値をもつレンズなので、単焦点並みで文句なしといったところではないでしょうか。
さすがF1.8ズーム、といった感想です。
玉ボケも、周辺部はやや口径食が見られますが比較的良好です。
しかしながら、重箱の隅を突くようですが、ボケの質という面に限って言えば、単焦点に一歩分があるような印象を受けました。
今後の改良に期待ができます。
解像感
解像感はF1.8通しズームであるということを考慮すると極めて良好であると言わざるを得ません。
こちらの看板を撮影するにあたり、左側にピントを当てましたが、ピント面の看板の塗装や塗装の剥がれ、サビといった質感を丁寧に描いています。絞り開放であるのにも関わらず、です。
絞り込むと予想以上の解像感を発揮してくれます。今回試したボディが約6100万画素のα7RVだからというのもありますが、とても「シグマらしい」解像感に富んだ画を出してくれます。
遠景でも試してみました。
こちらの写真も、建物の壁面や仮設スロープの質感を丁寧に描いています。背景に目をやると、積乱雲の質感も丁寧に描かれているのがわかります。
ディテールをわかりやすくご説明するために、できたばかりの新宿の新たなランドマークである東急歌舞伎町タワーのてっぺんを拡大してみました。窓越しのカーテンの質感や、てっぺんのグラデーション塗装まで繊細に描いています。
パキパキには写りますが、かといって線が細すぎることもなく太すぎることもなく、ちょうどいい塩梅の解像感を醸し出しています。
まとめ
F1.8というボケの量と解像感に関しては、このレンズに及ぶズームレンズは現時点では存在しないのではないか、といった印象を受けました。
筆者自身広角単焦点が好みで、いつか揃えたいと考えていたので、単焦点を揃えることなく一本で済ませられるこのようなレンズは革命的だと思いました。欲を言えばZマウントに登場してくれることを期待したいですが…(笑)
ポートレート、風景、スナップ、何にでも万能で使えそうなレンズです。
ぜひ一度お試しになってはいかがでしょうか?
今回試した機材
- SONY α7R V
- SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN | Art(Eマウント用・Lマウント用)