【初心者でも分かるカメラの基礎知識3】シャッタースピードとは?
シャッタースピードとは、シャッターが開いている時間のことで、
写真の「ブレ」「露出」をコントロールする数値でもあります。
1、1/10、1/20…という数値で表記されていて、1/200の場合200分の1秒の間、ほんのわずかな時間だけシャッターが開いている、ということを表します。
原則、スポーツなど動きの速いものはシャッタースピードを早くして撮ります。
走行中の電車を撮影しました。
まずはやや遅め1/60秒。
電車のスピードそのままに、ややブラーがかったような写真になります。
では、シャッタースピードを速くしてみましょう。
1/4000秒
こちらも走行中の電車。走るスピード自体は変わっていませんが、シャッタースピードを最大まで速くし、切り取る時間を短くすることで電車が止まっているように見えます。
ちなみに1/10秒まで遅くすると…
1/60よりスピード感のある写真が撮影できました。
シャッタースピードを理解することで、表現の幅はより広がっていきます。
シャッタースピードはF値と同様、写真の明るさ(露出)にも影響します。
シャッターが開いている時間が長い(遅い)と、露出は明るくなり、短い(早い)と露出は暗くなります。
シャッタースピードと手ブレ
シャッタースピードが遅いと、手のわずかな動きが写真に反映されてしまい、手ブレが発生する原因になります。
一般的に手ブレの発生を抑えることのできる目安のシャッタースピードとして、1/(焦点距離)秒と言われています。焦点距離60mmなら1/60、200mmなら1/200程度。
手ブレを防ぎたいのであれば、被写体にズームすればするほどシャッタースピードは早くしておいた方が望ましいです。
シャッタースピード3.2秒で撮影。全体的にブレブレです。
シャッタースピードを遅くするとき
基本的には1/(焦点距離)秒をキープしておくべきですが、あえてシャッタースピードを遅くする場合もあります。
・暗い場所でも明るく撮りたい時
イルミネーションや夜景を撮りたくても、光量が足りず暗く感じる時があります。
ISO感度を上げることでも明るくなりますが、上げすぎるとノイズの原因になってしまいます。
そんな時にはシャッタースピードを遅くして、光を取り込む量を増やすことで、ISO感度を上げずに明るく撮ることができます。ただし、シャッターが開いている時間が長くなりブレが発生しやすくなるので、三脚が必須です。
・水や光などの動く軌道を写真に収めたい時
シャッターを長く開け、動く軌跡を写真に収める表現方法もあります。
例を見てみましょう。
シャッタースピード1/100秒で撮影した写真です。
原宿のビル屋上から、イルミネーションと道路を走る車を撮影しました。
SONY ILCE-6400 (41mm, f/4, 1/100 sec, ISO12800)
同じシチュエーションを、三脚を使用しシャッタースピードを遅くして撮影すると…
SONY ILCE-6400 (41mm, f/10, 5 sec, ISO100)
長くシャッターを開けておくことで、道路を走る車の光の軌跡を写真に収めることができました。ISO感度100でもかなり明るかったので、絞りをF10まで絞って調整しました。
シャッタースピードを遅くして星や水など流動的に動くものの軌道を撮影することを
「スローシャッター」もしくは「長時間露光」といいます。
先述の通り、シャッタースピードを遅くすると、その分明るくなります。
夜間は光量が少ないため、1/100秒、F4ではISO感度を12800まで上げる必要があり、かなり画質は損なわれてしまいます。
ですが、スローシャッターで撮影することでISO感度を上げずに撮影でき、画質の劣化を抑えられます。
暗所に弱いといわれるAPS-C機での撮影ですが、
スローシャッターで撮影した右の写真はイルミネーションの色も鮮やかに残っています。
シャッタースピードについてまとめました。
これらの基本を抑えつつ、被写体や目的に応じて調整してみて下さい。