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レビュー

SONY FE 70-200/4 Macro G OSS II

レビュー

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SONY FE 70-200/4 Macro G OSS II

 

ひとくちに写真といってもまったく多岐にわたる。

その分類はつねに議論の的であるが、少なくとも次の2つには分けてよいだろう。

「仕事」と「趣味」だ。

多くの方が趣味で写真を楽しんでいる。

多種多様な被写体があって、さまざまな撮り方と、やはりさまざまな写真の使い道がある。

これには定義のしようもないし、その必要もない。

自由なのである。

一方で仕事は、多少簡潔にまとめられるのではないか。

「依頼主の要望に応える。」これに尽きる。

それを達成するために商業カメラマンは知識と経験を駆使して、

必要な機材を選び、用いてあの手この手で応える。

 

ただし、問題は現場だ。

最初から現場が見通せていて予定通りならよい。

何をどう撮るか固まらないまま進行することも、あいにく筆者には珍しくない。

可能な限り準備して挑むことにはなるが、創意工夫で乗り切る場面も必ずある。

ふつうのポートレートスナップのはずが急に賞状の複写も頼まれたり、とか。

そして、それに対応できて依頼主を満足させられる者こそカメラマンたりうると。

 

この70-200は万能だ。

ふつうの70-200として小型軽量、そのうえf4通しはけして暗くない。

ソニーご自慢の手ぶれ補正のお陰でスナップに使いやすい。

記録写真的な「くっきり、はっきり、ブレなく」にも文句なく用いることができる。

AFにしてもさすがGレンズという素早さ。

運動会のようなシーンにも向いていると思います。

 

SONY ILCE-7RM2 (70mm, f/9, 1/200 sec, ISO100)

歪みも少なく、全域で端正な描写を得られる。

ポートレートに使えば豊かなボケを活かした撮影ができた。

(お許しを戴けないため公開できず惜しいのですが、実際ポートレートにすごく向いています。)

このあたり、おそらくf2.8と比べたがるでしょうが正直好みの範疇である。

少なくとも開放f4であれば目にピントを合わせても顔全体でどこかピントの外れたところは発生しないし、

程よい被写界深度を確保できる。そういう意味でも失敗は少ないはずだ。

 

しかもそのうえマクロ撮影ができる。

SONY ILCE-7RM2 (200mm, f/4, 1/200 sec, ISO12800)

合板の断面をとらえてみた。これをどう撮っているか。

Apple iPhone 15 Pro Max (2.22mm, f/2.2, 1/50 sec, ISO400)

全域でのマクロということは200mmでもマクロ撮影ができるのだ。

これはすごい。

わざわざ専用にマクロレンズを用意せずとも、

例えばブライダルの現場ならリングピローを美しく収められるし、

急な複写や保存的記録撮影もこのレンズは確実に捉えてくれる。

 

そして、なによりも、このレンズは軽い。

24-70mm級と遜色ない軽さ、小型さである。

これもまた仕事には重要な要素だ。

朝から晩まで駆けずり回るブライダル・スナップなど長時間の撮影は珍しくない。

いかにボディが軽いαでも日暮れて撮り終わる頃には何倍も重く、苦しく感じることになる。

グリップがニコンキヤノンに比べたら浅く指の負担が多いこともあるし、

このレンズの軽さはフィジカル的にも大きく影響するはずだ。

 

披露宴も終盤、手紙の朗読が終わってゲストのお見送りも終わって。

せっかくだしお色直ししたカラードレスでもちょっとお写真撮りましょうか、

というところでカメラマンがヘトヘトに疲れ切っていては良い写真は撮れない。

このレンズなら疲労管理における大きなアドバンテージを得られるはずだ。

 

たしかに写りがもっとよいレンズはあります。f2.8のほうとか。

しかし実用十分以上のポテンシャルをもって、快適にどんな撮影をもこなせる点でこのレンズは優れている。

本機ほど仕事に向いている中望遠は久しいのではなかろうか。