DJI RS3 Pro Combo
ステディカムというスタビライザーがあって、
それは高価で大掛かりな物であったがかつて大変に憧れたものである。
こんにちでは驚くほど手軽に、手頃に、より便利なものが手に入る。
単に安定させるだけではない、
画像転送や自動追跡、タイムラプスのためのモーションなど色々盛り込まれている。
しかし本当に期待するほど精度は高いのだろうか。
ちょっと前のジンバルカメラはしばしば水平を見失うことがあったからだ。
ある船に乗り込んで、しばらく水平線を追わせることにした。
波の高さ2mほど。
フィンスタビライザーによりだいぶ抑えられるもののどうしてもローリングが起きる。
しかしRS3、立派なもので文句なくぶれない。
映像の中で手前の手すりのみが上下することがわかると思うが、
船体がいくら動揺してもひたすら水平線を追いかけ続けた。
これには正直驚いた。
船という鋼鉄の内部で、そもそも三次元に動揺している状況。
そのなかでキャリブレーションも正確に行われたのだ。
おなじDJIでもMavicMiniドローンはもう少し環境に影響を受ける。
この点でRS3はまことに信頼性がある。
今回FX-30で試したがRX3のゆとりあるペイロードであっても
やはりなるべく軽いほうがよくよく見ると滑らかに動いた。
RS3をもちいるときは画作りを考慮のうえカメラ全体の構成についてしっかり検討したい。
ちょっとだけ気になるのが大きさと重さ。
専用キャリングケースに梱包した状態でちょっとしたカバン大。
部品点数も多いうえ最初のセッティングには時間と、落ち着いた場所が必要だろう。
可能ならあらかじめ練習しておくべきだ。
また構成を検討するときもRS3そのものの重量、カメラボディ、レンズその他の重量を
両手で持つのかということも当然のことながら考えを巡らせなくては。
そうしたうえで得られる映像は安定した素晴らしいものであるから。