「暗い」望遠レンズの明るく楽しい話
いくら入荷しても在庫切れ!
キヤノン RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM、当店はなんと30本近い在庫を用意しています。
https://x.com/map_rental/status/1758025967455612992
「圧倒的ではないか」というフリからの週末やアイドルライブの日に在庫払拭というこの状況。
「圧倒的、ひたすら圧倒的な推し力に蹂躙(じゅうりん)される」
とでもうそぶきたくなるものがあります。
暗いF値もミラーレスでは無問題
一眼レフ時代のAF技術は、ミラー:厳密にはマジックミラーから透過した光をセンサーで感知するという方式が採られていました。
この方式はつまるところセンサー前に遮蔽物があるため、開放F8でAFを作動させるのがやっとでした。
一方、ミラーレスはその名の通りミラーがなく、画像センサーがAFセンサーを兼ねているため、F8以上の暗さでもAFを作動させることができます。
純正「暗い」超望遠の先駆者、ソニーFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
一眼レフ時代には純正レンズのF値が5.6がおおむね限界で、一方価格や大きさを抑えるため主にシグマやタムロンといったサードパーティーの望遠ズームレンズに望遠側開放F6.3が用意されていました。
ソニーのFE200-600/5.6-6.3が世に出た頃、個人的には「こんな暗いレンズが純正から出るのか」と思ったのですが、描写性能やAF性能に問題はなく、テレコンバーター装着でもAFが機能するため、かなり合理的な商品と言えるでしょう。
そのフォロワーとしてニコンZ 180-600mm f/5.6-6.3 VRとキヤノンRF200-800mm F6.3-9 IS USMが登場し、このクラスはミラーレスにとって重要なセグメントとなりました。
「暗い」超望遠レンズの可能性を広げるキヤノン
キヤノンは超望遠レンズに必須の異常低分散レンズの中でも効果が高い蛍石が伝家の宝刀として存在し、その分野では常にフロントランナーでした。
RFシステム展開初期から70-200mmF2.8というプロ御用達の大口径レンズを出した後、投入したのが超人気レンズRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMでした。ハイグレードなLレンズであるものの望遠側開放値F7.1という一眼レフ時代では考えられない暗さですが、ミラーレスシステムではAFに問題ないスペックで、EF100-400/4.5-5.6と同等の大きさで取り回しもよく、超望遠レンズの可能性を広げた名玉と言えます。
テレコンバーター着用でもAF作動
一眼レフと比較しミラーレス機と望遠レンズの組み合わせ全般にいえることですが、利点の一つにテレコンバーター(エクステンダー)着用でもAFが作動するというものがあります。
上記したように、一眼レフでは開放F8以上でAFが作動しません。例えばF5.6のレンズに2倍テレコンを装着すると、F11.2となり、AFが作動しなくなります。
一方ミラーレスでは例えばRF800mm F11 IS STMに2倍のエクステンダーを装着してもAFが作動します。
ただし、テレコンはマスターレンズのAFや手振れ補正の性能を多少落とすので、その点ご留意ください。