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FUJIFILM GF30mm F5.6 T/Sを競合シフトレンズと撮り比べ

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数年前から出ると噂のあったシフトレンズがやっと登場した。

30mmのシフトである。

これは35mmに換算するとおよそ24mm

TS-E24mmとほぼ同等のレンズと考えてよい。

これは建築外観を撮るのによく使う画角となる。

TS-Eシリーズ同様にレンズのシフト方向を回転して変えられるので斜めアオリもできる。

参考までに左アオリ、右アオリ、ニュートラルを撮り分けてみた。

FUJIFILM GFX100 II (30mm, f/11, 1/160 sec, ISO500)

FUJIFILM GFX100 II (30mm, f/11, 1/160 sec, ISO500)

FUJIFILM GFX100 II (30mm, f/11, 1/160 sec, ISO500)

アオリの様子を動画にすると、次の通り。

建物任意の面のパースを自在に補正できることがわかると思う。

 

一方で、内観への適応は要注意だ。

FUJIFILM GFX100 II (30mm, f/11, 1/60 sec, ISO1000)

細長い廊下を収めるとかそれくらいには良い画角だが、おそらく大空間を例外とすればインテリアで全景を収めるのはむずかしいだろう。

FUJIFILM GFX100 II (30mm, f/8, 1/80 sec, ISO10000)

 

インテリア全景にはもっと別のレンズ…

たとえばLAOWAの20mmだったりマウントアダプター越しにTS-E24を付けたほうがよい。

 

Apple iPhone 15 Pro Max (6.7649998656528mm, f/1.78, 1/407 sec, ISO64)

ということで実際に画角を比べてみた。

すべて当然に立ち位置は同じ、三脚を用いてアングルも固定してシフトのみ多少加減している。

GF30mm

FUJIFILM GFX100 II (30mm, f/11, 1/160 sec, ISO500)

 

TS-E24mm

FUJIFILM GFX100 II (24mm, f/11, 1/160 sec, ISO500)

 

TS-E17mm

FUJIFILM GFX100 II (17mm, f/11, 1/160 sec, ISO500)

こちらも立ち位置は変えていない。

引きがあれば30mmは迫力と、落ち着いたパースが得られる。

しかし、外観はたぶんLAOWAを使うかTS-E24がちょうどよいのではないか。

TS-E17ではあまりに広角すぎるし、実はちょっとケラレた。

FUJIFILM GFX100 II (17mm, f/11, 1/160 sec, ISO500)

※上記の通り社外マウントアダプタを用いて社外レンズを使うことには一定のリスクがあります。

リスクを承知のうえ何かあっても対応できるよう準備してください。

こうした組み合わせで起きたトラブルはふつう、誰も責任を負いません。

 

 

同時に発表されたレンズが物撮りむけと思われる110mmなので

もしまだ先があるならもう少し広角も用意されると、建築写真家にとっては望ましいだろう。

 

そうはいってもこれは現行最新のシフトレンズ、キヤノンにはない新機軸がある。

Apple iPhone 12 Pro Max (5.1mm, f/1.6, 1/83 sec, ISO125)

シフト量が数値化されてEXIFに残る。

これはどういうことかといえば昼間撮ったアングルを夜もういちど再現するときに、

立ち位置は覚えていてもシフト位置なんか覚えていない。

こんなとき昼と同じ数値にすれば良いだけなのですこぶる便利機能なのだ。

撮影から帰ってきて現像したら昼夜で微妙にアングルが違うと頭を抱えた人にとっては福音のはず。

 

このレンズにも問題はある。

大きく、重い。

全長は100-400mm級望遠ズームレンズに匹敵するし、

重量はGFX本体よりも重い。

なので三脚座が付属する。

 

三脚座は光軸が変わらず縦横自由自在に回転できるから一見便利なのだが、

斜めにシフトさせるときは厄介だ、

三脚座を回転させてからノブを引いてレンズを回転させて調整して…などとあまり現実的ではない。

 

そんな三脚座のせいでカメラボディを三脚に据え付けたときは雲台まわりの空間にもご注意を。

レンズ径もすごく太いのでレンズを回転させるとき雲台にシフトノブやレンズそのものが干渉するかもしれない。

縦グリップやアダプターも頭に入れておくことをおすすめします。

 

よく考えたらミラーレス一眼むけの純正シフトレンズとしては1番手になった富士フイルム。

じっくり時間をかけただけあって実によくできたレンズだと思う。

これを活用できるカメラマンはおそらく一般的とは言い難いでしょうが、

凄まじい高解像度のGFXボディと組み合わせたとき、これは強力な武器になる。

そんなレンズでした。

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