【初心者でもわかるカメラの基礎知識1】F値(絞り)とは?
絞りとは、レンズを通る光の量を調整する機構のことで、F値を変えることで写真のぼけ量をコントロールすることができます。
レンズの中にはこのような「絞り羽根」とよばれる機構があり、この絞り羽根を開けたり絞ったりすることで、取り込む光の量を調整することができます。
F値を下げると一眼らしい背景を大きくぼかした写真になり、逆にF値を上げると全体にしっかりピントの合った写真を撮ることができます。
(ちなみに、F値を下げることを「絞りを開ける」といい、逆に上げることを「絞る」と表現します)
同じ被写体を、F値を変えて撮影してみました。
(撮影後、明るさを合わせるために露光量を調整しています)
このように、F値の数字が大きくなるごとにぼけ量が減り、後ろにある花もくっきり写るようになっていきます。
一般的に、ポートレート等、際立たせたい被写体がある場合はF値を下げてぼけ量を増やし、風景写真、集合写真など全体にピントを合わせたい場合はF値を上げて撮影することが多いです。
F値と露出、レンズの関係
F値を変えると、露出(写真の明るさ)が変わります。
F値の数字が小さい(開ける)ほど多くの光を取り込み、露出は明るくなります。
逆に、数字を大きくする(絞る)と取り込む光の量は少なくなり、暗くなります。
レンズごとにF値の下限は決まっていて、F値が1~2.8程度で撮影できるレンズを「明るいレンズ」、4以上のレンズを「暗いレンズ」と言うことが多いです。
例えばこのシグマの単焦点レンズを見てみましょう。
https://www.maprental.com/lens/sigma30mm-f14-dc-dn-se-/
「SIGMA 30mm F1.4 DC DN」
このレンズは最小F1.4まで下げることができる、という表記です。
単焦点レンズは明るいものが多いので、ぼけの多い写真を撮りたい時におすすめです。
では、ズームレンズのF値を見てみましょう。
https://www.maprental.com/lens/sonyfe28-70mm-f35-56-oss/
「SONY FE28-70mm F3.5-5.6 OSS」
このズームレンズは、ズームするとF値が変わってしまう、いわゆる絞り可変レンズです。
広角側28mmの時は最小F値3.5ですが、望遠側70mmにすると最小F値5.6。
ズームするごとにどんどん暗くなっていくため、設定に注意が必要です。
https://www.maprental.com/lens/sonyfe-24-105mm-f4-g-oss/
「SONY FE 24-105mm F4 G OSS」
こちらはズームしても絞りが変わらない、いわゆるF値通しレンズです。
広角でも望遠でもF4のまま変わることがないので、露出設定をシンプルに考えることができます。
暗いレンズでも背景をぼかすには?
明るいレンズでないと背景がぼけないかというと、そうではありません。
F4程度のレンズでもポイントを押さえることで大きくぼかして撮ることができます。
ぼけを大きくするには
- 被写体は近くに
- 背景を遠くに
- 望遠(ズームさせる)
この3点を意識することで、暗いレンズでも背景をぼかすことができます。この写真で使用しているのはAPS-C機のα6400、F4のズームレンズですが、できるだけ離れて望遠にして、被写体を大きく写すことで背景が大きくぼけています。外出先で、ズームレンズしか持ってないけどぼかして写真を撮りたい!SONY ILCE-6400 (86mm, f/4, 1/250 sec, ISO640)
そんな時におすすめです。
最後に、F値のポイントについてまとめました。
ぼけるから良い、ぼけないから悪い、ということはありません。
自分の見せたいもの、やりたい表現に合わせて調整していくことが重要です。
まずはオート撮影モードを卒業して、マニュアルモードで撮影してみましょう。