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レビュー

最新鋭機α9ⅢとFE600mmで挑む野鳥撮影とその実用性

レビュー

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SONY ILCE-9M3 (600mm, f/4, 1/2300 sec, ISO12800)

SONY ILCE-9M3 (600mm, f/4, 1/2300 sec, ISO12800)

SONY ILCE-9M3 (600mm, f/4, 1/2300 sec, ISO12800)

SONY ILCE-9M3 (600mm, f/4, 1/2300 sec, ISO12800)

SONY ILCE-9M3 (600mm, f/4, 1/2300 sec, ISO12800)

 

忘れもしない2023年11月6日。

マップレンタルのバックヤードで同僚に「今度出るαはグローバルシャッターらしいですよ」と言われ、

「へぇそれはすごい!(いやグローバルシャッターってなに?)」と返したのを今もよく覚えている。

そしてその翌日、ほんとうにα9Ⅲが発表されて、そこには本当にグローバルシャッターという単語が並んでいた。

 

 

近年の新製品にありがちな発表から手元に届くまでの果てしなく長い時間を経て、いま手元にα9Ⅲがある。

見た目にはα9との主張はあまりない。

軍艦部のダイヤルがわずかにα7との違いを示すが、せいぜいそれくらいである。

バリアングル液晶なのでα7Ⅳとかα7RⅤとよく似ている。

ただしカメラボディの厚みは年々増加しておりグリップも深くなってきた。

おかげで握りやすく、持ちやすい。標準ズームくらいならかなり改善されている。

ただ70-200mmとか重量級レンズを扱うときは小指が余ることもあってやはり縦グリップがあると快適になる。

 

SONY ILCE-9M3 (600mm, f/4, 1/2300 sec, ISO1250)

 

操作感も、設定画面も踏襲されているので特に抵抗感はないはずである。

ただし機構というか機能がずいぶん変わったので細かい設定項目は今までと違う。

なにしろ電子シャッターなのだ。

 

さて、偶然にもα9Ⅲがマップレンタルに到着する頃。FE600mm f4も入荷した。

このコンビネーションはどうだろうか。

 

SONY ILCE-9M3 (600mm, f/4, 1/2000 sec, ISO5000)

 

このFE600、相当に軽い。

背負って運ぶにも、手持ちで構えるにしても、撮影者へもたらす苦痛はかなり少ないと言っていい。

寸法は他の600mm単焦点と大差ないので大柄ではある。

よって重心位置が前方に位置するのも他と変わらず、即ち腕力と腹筋がある程度は求められることになる。

ちなみに本稿掲載の写真はすべて手持ちで撮影している。最後の動画だけ三脚を用いた。

それでもα9Ⅲの8段に強化された手ぶれ補正が相当強力に手助けしてくれる。

スイッチ類もキヤノンと概ね同等であり使いやすい。

 

SONY ILCE-9M3 (600mm, f/8, 1/500 sec, ISO3200)

 

α9ⅢのAF認識対象には鳥がある。

これを設定しておけばきっちり鳥を識別して、向きがよければちゃんと鳥の目にピントが合焦する。

そのうえ秒間120コマという狂気の連写性能に加え、プリ撮影という新機能がある。

シャッターボタンを押したときに、実は押す前から撮影されているというもの。

さっぱり仕組みは分からないが、最初に掲載した鳥が飛び立つシーンなどでは極めて有力に作用した。

あっ飛んだ!とシャッターを押したら、飛び立つ前から撮れているのだ。

失敗を減らす夢のような便利機能である。

今回のような撮影ではもっとも活躍した機能といえる。

 

なお、付け加えると筆者は本機で初めて野鳥撮影に臨んだ。初陣で冒頭の写真が撮れたのだ。

 

もうひとつ素晴らしいことに撮影中その間ファインダーにせよ液晶モニターにせよ一切ブラックアウトしない。

前述の被写体認識とコンティニュアスAFの助けを得て合焦させ、ブラックアウトフリーのモニターで追いかけて、

プリ撮影を駆使して取り逃しを回避する。

つまりミスしないのだ。

これは最高のコンビネーションといえる。

 

これはもちろん野鳥のみならずスポーツ撮影などにも最適だろう。

撮り直しのきかない大事な一瞬を的確に記録する、という任務にぴったりだ。

例えばゴールの瞬間なども逃すことがなくなるだろう。

 

もちろん、もうちょっと大きい鳥にもこれは好い。

SONY ILCE-9M3 (600mm, f/10, 1/380 sec, ISO250)

SONY ILCE-9M3 (600mm, f/9, 1/380 sec, ISO250)

SONY ILCE-9M3 (600mm, f/20, 1/200 sec, ISO250)

 

今更だが、グローバルシャッターの恩恵はどこかにあったのだろうか。

なにか貢献してくれているのかもしれないが、わからない。

ストロボ全速同調やフリッカーレスも役立つ人には便利な機能だろう。

しかし基本的にはそつなく何でもこなす2500万画素級の最新鋭機である。

カメラ全体が利便性を高める努力にあふれているので、

ユーザーとしては恐らくグローバルシャッターという語に振り回される必要はないと思う。

 

むしろ今まで禁忌とされた撮影方法が可能になるので、今後活用した撮影技法が生まれるに違いない。

今までできたことはできるし、今までできなかった事もできるのだ。

あらたな技術と想像力が写真術にこれから新たな時代をひらくと信じる。

 

それと、動画にも好適でしょう。

 

動体が歪まないという特性から恐らく写真以上に映像領域で活用されるのではないだろうか。

ただし筐体の様子から察するにあまり長時間の熱負荷には耐え得ないであろう。

 

そうするとデメリットは何であろうか。

前述の秒間120コマなどは用心しないとあっという間にメモリーカードを消耗する。

128GBなどあっという間だった。JPEGで何千枚も撮れるというのに。

 

そしてバリアングル液晶を閉じると省電力モードに入る機能がある。

オフにすることもできるのだが、ファインダーを主に使う人にとってはすこし厄介である。

パタンと閉じたら最後ファインダーをいくら覗いても真っ暗のまま。これは注意したい。

 

SONY ILCE-9M3 (600mm, f/10, 1/800 sec, ISO250)

 

それから、本機は大変に高額である。

如何に高額なソニー製カメラとはいえα9Ⅲの実売価格は80万円を超す(24年2月現在)。

例えばキヤノンR3よりも高い設定だ。

FE600mmに至っては200万円近い。

両者合わせればちょっといい自動車が買える値段である。

これを購入して、償却できるカメラマンはそう多くあるまい。

そこでレンタルという選択肢が俄然、現実味をもつのである。

 

マップレンタルなら本稿の組み合わせでお得なセットもご用意しており、

購入するより経済的なお値段で使うことができます。

最先端の撮影をぜひ試してみてください。